ハヤのそらね

きっと、その光は手に入る。

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【星空への憧憬】受け継がれる絆の光〜のぞみ〜

まえおき

この記事は星や宇宙をテーマにしたPCゲーム『星空のメモリア』『アストラエアの白き永遠』が好きな管理人がそれらのテーマに関わる話を紹介する記事です。

☆この記事は『アストラエアの白き永遠』のキーとなる火星探査についての話を紹介する記事です。
☆この記事には惑星探査機の擬人化要素が含まれます。
☆この記事は主にしきしまふげん氏の同人誌と、ネット上の情報を引用、要約した記事です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AE%E3%81%9E%E3%81%BF_(%E6%8E%A2%E6%9F%BB%E6%A9%9F)
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/nozomi/
☆管理人は専門の知識は全くありません。技術的な部分については完全にコピペです。ご了承ください。


2014年11月30日、日本は6度目となる地球外探査計画を発動させた。過去の戦いの記憶を引き継いで大幅に改良を加えられた小惑星探査機「はやぶさ2」は地球の重力圏を振り切って長い航海に旅立つ。
H-ⅡAに搭載される250tの推進剤が彼女に勇気を与え、秒速12㎞に達する圧倒的な加速が彼女と我々の未来を作る。
3勝1敗1引き分け。
6度目の地球圏外遠征。
その未来はいかに。
『現代萌衛星図鑑第2集』より


ここでいう3勝1敗1引き分けは以下のとおりです。

3勝
ハレー艦隊の一角としてハレー彗星の正体に迫った「さきがけ」「すいせい」
前人未到の大航海を経て星のかけらを持ち帰った「はやぶさ」
ソーラーセイルの帆を広げ船出した「IKALOS」
三者はどれも日本の宇宙開発史に名を残す成果を上げました。

1引き分け
今も金星への接近を諦めていない「あかつき」金星との再戦に向けて今は時を待っています。

1敗
そして、ただ一人。
火星の呪いに捕らわれ、その使命を果たせなかったのが、「のぞみ」日本で最初の惑星探査機です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

1998年7月4日。
ISAS(宇宙科学研究所)が募集した27万人分の名前とともにPLANET-B「のぞみ」はM-Ⅴロケットに乗り火星へ旅立ちました。
しかし、彼女の旅は出発早々大幅な長期化をせざるを得なくなります。
1998年12月。地球スイングバイの際に制御エンジンのトラブルから推進剤を使いすぎてしまい、このままでは火星にたどり着いても火星軌道には入れないことが分かりました。
このトラブルの原因は、燃料の逆流を防止するバルブが開ききらなかったためであると推定されています。
これは米国の火星探査機マーズオブザーバの事故を受けて付け足されたものでした。
事故を防ぐため機能が皮肉にも別のトラブルを招いてしまったのです。

残された燃料で火星に辿り着く方法はないか。導き出された道は、4年かけて太陽の周りを周り、火星に接近する時を待ち、2回の地球スイングバイを行い火星軌道へ向かう、というものでした。
1年余りのはずの旅が4年もの長さに。しかし、「のぞみ」はその期間静かに宇宙を巡りながら時を待ち、1回目の地球スイングバイを行う2002年の春を迎えました。

そんな折でした。

2002年4月22日。強大な太陽フレアが発生。「のぞみ」は高エネルギー粒子の直撃を受けます。
そしてその3日後(太陽フレアの直撃と時差があるため直接の原因とは推定されていないものの)「のぞみ」はまともに姿勢制御ができず、さらに観測情報や自身の状態を知らせる「テレメトリモード」から自分の位置を地球に伝えるだけの「ビーコンモード」になったまま戻らない状態になっていました。

なんとか「のぞみ」を助けなくてはいけない。
この時生まれたのが後に「1ビット通信」と呼ばれる方法です。「のぞみ」に対してYES/NOの質問を送り、それに対するビーコンのON/OFFを回答として彼女の状態を明らかにしたのです。
そう、それは後に通信途絶にまで陥った「はやぶさ」を救う一筋の光となった通信方法です。

1ビット通信により「のぞみ」の状況が明らかになりました。電源回路の一部がショートし、推進剤を暖めるヒーターが作動せず、推進剤が凍り付きスラスターが動かなくなり、そのため姿勢制御もできなくなっていたのです。
それでも、その後太陽に近づけばいずれその熱で推進剤が溶けるはずでした。

2002年9月、太陽の熱で「のぞみ」が十分に暖まったのを確認し、地上から姿勢制御のコマンドが送信されました。「のぞみ」はそれに応え、地球の方を向いて確かな声を地球に届けてくれました。
こうして姿勢制御が可能になった「のぞみ」は2002年12月、2003年6月の2回の地球スイングバイを行い、ついに火星を目指して飛び立ちました。

ですが「のぞみ」は未だ不具合を抱えたままです。運用チームは最後の手段としてショートしている部分に無理矢理電流を流し回路を焼ききるためのコマンドを送ります。この手段は「のぞみ」にどんな影響が出るかわからない、最後の手段ですが、祈りにも似たこのコマンドを運用チームは送り続けました。
何度も、何度も。
その回数は一億回を超えました。

そして2003年12月9日。
「のぞみ」に名前を託した27万人の人々に火星軌道投入を断念したことを伝えるメールが配信されました。
運用チームの必死の努力も「のぞみ」を生き返らせるには至りませんでした。
この日、「のぞみ」に火星から離れるコマンドが送信され、12月14日「のぞみ」は火星の上空1,000㎞を通過。この時「のぞみ」はプログラム通りに火星の表面を撮影したかもしれません。ですが、それが地球に送られてくることはありません。
そして2003年12月31日「のぞみ」に最後のコマンドが送信されました。停波コマンド。電波の発信を止めた「のぞみ」は完全に探査機としての機能を停止。人口の惑星となり半永久的に太陽の周りを回り続けることになりました。

こうして日本初の火星探査機「のぞみ」の旅は終わりました。

2014122000002
teardrop発行「のぞみ」同人誌

☆☆☆☆☆☆☆☆☆
2014122000001

マーズカース、火星の呪いという言葉は『アストラエアの白き永遠』の物語の中だけの造語です。が、現実に地球からの探査機がその任務を全うできたのは3割と言われています。
「のぞみ」もまたマーズカースに捕らえられてしまったのかもしれません。

2014年夏に幕張メッセで開催された宇宙博。
JAXAの展示で最もスペースを取られていたのが「はやぶさ」でした。そしてその煌びやかな展示の裏側にひっそりと展示されていたのが「のぞみ」であり「あかつき」でした。
確かに「のぞみ」は火星に辿り着くことはできませんでした。「あかつき」も予定通り金星にたどり着けていません。ですが「のぞみ」があったからこそ不死身の探査機「はやぶさ」があり、「はやぶさ」と「はやぶさ2」の間には「あかつき」がいるのです。過去の失敗を抜きに語れることではないのです。
「のぞみ」の残した1ビットの光が「はやぶさ」と我々の絆となり、前人未到の大航海を成功させました。

たとえ満足のいく結果が出せずとも、最後まであがき続けることで未来に希望を残すことができる。
それは宇宙開発に関わらず、身近な小さなことでも同じかもしれません。

アストラエアの白き永遠 応援中!!

先の見えない闇の中、未来につなぐ絆の光を探して。
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